#4-3 カウンセリング実践 認知行動療法で最短ルートで何度でもリトライ
弊ブログを訪れてくださりありがとうございます。
#4-3 Mさんの面談記録を致します。
前回「褒める母親になる」という目標を挙げ、実践していただきました。
<アクションプラン>
1寝る前に薬を塗る時、「頑張っているね」・「ありがとう」・「大好き」・「助かるよ」と言葉で伝える
2自転車で移動する時、娘さんの学校の様子を聞く
3時間管理について娘さんに任せる
今回は、実践後の振り返りを行いました。
1・週に4回、寝る前に言葉で伝えることができた。
・「ママの方が頑張ってるよ」「ありがとう」という娘さんの言葉があった。
・以前よりも褒める言葉や感謝の言葉を伝えやすくなった。
2・「今日学校で何があった?」と尋ねると、「なんで?」と聞き返されたこともあったが、学校での様子を話してくれた。
・自転車に乗っている時だと、時間に追われて聞き忘れてしまうこともあった
・聞けなかった時は、自宅で聞くなど、他のタイミングで声をかけることを意識できた。
3・お稽古に出かける時間をあらかじめ伝えておくと、娘さん本人が時間を気にして動いていた
アクションプラン3つについてMさんは意識的に取り組むことができました。
そして、娘さんの思いを聞く時間を作ることは、これまでも週3回はできていたこと(2
)や、時間について細かく指示せず娘さんに任せることでMさんのストレスが軽減できること(3)に気づくことができました。
(1)については実施している時は娘さんに良い声かけができているという達成感もあったのですが、面談の前日にストレスに感じることがありました。
娘さんは落ち着かなくなると、指の皮をむく癖があります。夜、娘さんのささくれをMさんがハサミでカットしてあげた後、トイレで娘さんが指の皮をむしっていたところをみて、ストレスだったそうです。
□トイレで娘が指の皮をむしっているという出来事に
□怒りの気持ちになり
□娘には私の努力が響いていないと考えた
娘さんとの良好な関係を築こうとしているMさんにとっては、裏切られたような気持ちになったのかもしれません。
そこからコラム法を進め、
・娘さんは毎日お稽古やお勉強で忙しくゆとりがないことを理解してあげよう
・まだ取り組みを始めたばかりなので、今後も続けていくことが大切
というバランス思考を持つことができました。
そして、お稽古の頻度や内容を見直すこと、声かけの取り組みを続けることをアクションプランとして立て直しました。
バランス思考を作った上でアクションプランを立てても、実践する中でうまくいかないことは多々あります。うまくいかずストレスに感じた部分についてはMさんが今回行ったように認知行動療法を行います。すると、バランス思考を作り直してより現実に沿った新たなプランを立てることができます。
認知行動療法は、少しづつ少しづつ考えや行動を変容させていくためのものだと思います。ご自身のこれまでの歴史から作られた考え方を変えることは簡単ではありません。しかし、「こうなりたい!」という思いを持った瞬間から人は自分自身を変えていくことができます。
プランを実施して問題解決することが望ましいですが、一度で解決できないこともあります。しかし、実施することで見えてくることは必ずあります。解決できなかったとしても、実施前よりもよくなっていることに気づいたり、もっと良いバランス思考やプランが出てくることもあります。Mさんもストレスに感じることがあったものの、「以前より娘さんに声をかけやすくなった」というプラスの気づきがありました。
実施した時のストレスは改善のきっかけになります。再構築したバランス思考はなりたい自分に気づくきっかけになります。何度も何度もこのプロセスを繰り返していくことで、理想の状態に一歩づつ近づいていきます。
トライ&エラーという言葉があります。トライしなければ、エラーかサクセスかを判断することもできません。また、トライしたいと思っても、何をするべきかわからなければ進むことはできません。認知行動療法は、トライするものを定め、エラーを学びに繋げ、サクセスを実感できる方法だと思います。コラム法を用いることで、何にトライするか、何がエラーになったのか、エラーの中で何を得たのかということを、自分の思考と向き合うことで見つけ出すことができます。それらはすでに自分の中にある考えや感情から導かれたものなので純粋で無駄がなく、リトライは最短ルートで、且つより自主的に行えると思います。
Mさんが「褒める母になる」という理想を実現し、娘さんとさらに幸せな豊かな時間を共有できることを願っています。
〜本日の学び〜
認知行動療法でトライ&エラーを何度でも繰り返そう
最後までお読みくださりありがとうございました。
このご縁に感謝致します。
認知行動療法メンタルトレーナー
いくえ