こころステップダイアリー

認知行動療法・ヒプノセラピーでこころのお手入れを♪

#8 カウンセリング実践 自分の考えを疑うトレーニング

弊ブログを訪れてくださりありがとうございます。

 

面談記録をいたします。

#7 Mさん 40代 女性 個人業

 

個人経営でコーチング業をなさっているMさん。とても精力的に活動され、ご活躍されている女性です。

コーチング業の他にもボランティアスタッフと協同で行う事業や企業とのタイアップ事業を行っておられます。どの仕事を減らすことはできず、またご自身の責任ある立場を他の人に任せることもできない状況で、やりたいことがやれることを上回っているという現状であることをお話ししてくださいました。

蒔いた種をどう実につなげていくか、もっといいやり方があるのではないかと模索していらっしゃるとのことです。

 

そんなお忙しい毎日の中、息子さんについて気持ちが動いた出来事を切り取りコラム法を実践しました。

You Tubeをうつろな目で観ている息子に

□困惑の気持ちになり

□どうしていいかわからないと考えた

 夕方ご帰宅された時に、テレビに映したYou Tubeを観ていた息子さんの姿を見た瞬間のことです。放課後、自宅にいてもパソコン作業に向かうことも多く、なかなか息子さんの相手をしてあげられていないとのことです。

 

さすがコーチングをされている方!①出来事と②感情と③思考の分類がサクサク進み、一気に7つのコラムまで行いました。

④は根拠、⑤は反証と続きます。

根拠とは、②感情と③思考を裏付ける事実です。つまり、「そう感じて当然だよね。」「そう考えるのも納得だよ。」と言えることです。

反証とは、②感情と③思考を否定する事実です。つまり、「そう思わなくてもいいのでは?」「そう言い切れないのでは?」と思考を疑う手がかりになることです。

 

Mさんは反証として、

*月半分は留守番が週3日以内

*息子が帰宅した時は、作業の手を止めて「おかえり」と声をかけている。息子の話を聞いている

*なんだかんだここまでやってこれた

という事実を挙げました。

息子さんが留守番する時間や、自宅にいても仕事をしている時間があり、息子さんに対してどうしていいかわからないという考えでしたが、生活にある事実を見ることで、「できることはやっている」「これまでもやってこれた」と、見方をシフトすることができやすくなったと思います。

 

反証を挙げたことにより、

・仕事を頑張っていることは子供もわかっている 

・ママの頑張りを子供に伝えてあげたらいい 

・この状態がずっと続くわけではない 

と、バランス思考が次々出てきました。

 

ストレスがかかっている状態だと、そうでない時と比較すると視野が狭くなりがちです。そして、「こうに違いない」と思い込んでしまったり、「0か100か」と白黒思考・完璧主義になりやすくなってしまうこともあります。そのような状態では反証が見つけづらくなります。自分の思考に対しても「こうに違いない」「これ以外は考えられない」となってしまうのです。

 認知行動療法では、根拠も反証も事実に基づいた事柄を挙げます。事実に目を向けているので無理やり思考を転換する必要はなく、「この部分を見れば、そんなにストレスに感じなくてもいいかな」「ダメだと思っていたけれど、この事実を考えるとそうでもないかも」と考えをシフトしやすくなります。

私は、認知行動療法の工程の中で、この反証探しがとても重要だと考えています。事実を丁寧に見直し状況を整理することで、見落としていた強みを見つけられ、自然にバランス思考を作れると思います。始めはなかなか見つけられなかったり、一人で考えていると思いつかないこともあります。しかし、繰り返し行っていくことで反証の事実を見つけるのが上手くなっていきます。

 

ストレスに感じていることに対し、「そうとばかりは言えないかも?」「この考えに矛盾することはあるだろうか?」「自分にとって良いと思える材料はないか?」とご自身に問いかけてみてください。

世の中、悪い事ばかりではないかもしれません♪

 

〜本日の学び〜

考えと反する事実を探すトレーニングをする

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

このご縁に感謝いたします。

 

 

認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ