認知行動療法お勉強会 自分の心を発見するこの質問を繰り返そう
弊ブログに訪れてくださりありがとうございます。
スクールのお仲間と勉強会を行いました。
カウンセリング練習をしていると毎回話題になるのが、「何を質問するのか」「どの質問するのか」ということです。
傾聴カウンセリングと異なり、認知行動療法では「受容・共感・自己開示」の基本姿勢を持ちつつもクライアントに適切な質問をしながらカウンセラーがカウンセリングをリードしていく必要があります。
この’質問’がとても難しい・・・。「ソクラテス的問答法」に代表されるような質問スキルがカウンセラーに求められます。
ソクラテスは「無知の知」という言葉で知られる古代ギリシャの哲学者。ソクラテス的問答とは、相手の主張を仮のものと定義し、その主張に対して質問を繰り返していきます。質問に答えていくうちに真実に近づいていき、また矛盾にも気づきます。答えを与えるのではなく、相手の中にある答えを相手自身が気付くよう導くという点は、認知行動療法の軸とも言えます。
スクールの先生がおっしゃっていた、心に残っている言葉があります。
「解決の答えはクライントの中にある。クライアントの心に興味を持つ。」
これは、自分自身にも置き換えることができます。自分の問題を解決する答えは常に自分が持っていると信じる。そして、自分の思いや考えに興味を持って、自分に問いかけてみる。そうすることで、本当の心に近づいていきます。
私が自問によく使っている言葉があります。
「それは何を意味している?」
「なぜそう思う?」
例えば、ピアノの練習をなかなか始めない娘に私は苛立ちます。そしてしびれを切らし、「早く練習しなさい!」と言います。
「早く練習しなさい」
→それは何を意味している?
「練習しないとグループ曲の仕上がりに影響が出る」
→それは何を意味している?
「グループに迷惑がかかる」
→なぜそう思う
「他のお友達はしっかり練習しているのに娘が足を引っ張ることになる」
→それは何を意味している?
「他のお友達に申し訳ない」
この辺りまで来ると、あれあれ??となります。
私は、グループレッスンのお友達に申し訳ないから娘にピアノの練習をさせようとしているの?と自分の心理に気が付きます。
娘が感性を高められるように、広い興味を持つように、好きなことを見つけられるように、上達する喜びを知ることができるように。そう願って、いろいろなお稽古のトライアルの中から娘が希望したピアノレッスンを始めたはずです。それなのに、本来の目的とずれたところで娘にピアノ練習を促しているという矛盾に気づくのです。本来の願いや目的を忘れた状態でどんなに働きかけても、娘に私の言葉が届くはずはありません。
ずれていた考えに気づき、本来の願いを思い出した時、娘にかけたい言葉は何だろうと考え直してみます。
「昨日よりも上手になった演奏を聞かせて欲しいな。」
こう考えた時には、声をかける目線も口調も表情も自然と変わってきます。
カウンセリングの中で、クライアントの目標達成をイメージしながら適切に質問を行えるようまだまだ練習を重ねていかなくてはと思います。
何かにストレスを感じた時、あなたも哲学者になったつもりで自分自身にソクラテス的質問を投げかけてみてください。意外な心理の発見ができるかもしれません。
練習会に参加してくださったOさん、Nさん、ありがとうございました。
〜本日の学び〜
「それは何を意味している?」と自問を繰り返すと心の底に辿り着く
最後までお読みくださりありがとうございました。
このご縁に感謝いたします。
認知行動療法メンタルトレーナー
いくえ