こころステップダイアリー

認知行動療法・ヒプノセラピーでこころのお手入れを♪

#7カウンセリング実践 不安を感じたらラッキー!

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面談記録です

#7 Hさん 30代 女性 派遣社員

 

現在、派遣社員としてご勤務されております。3月で契約満期となるため正社員への転職をお考えとのことです。

仕事をしている自分が好き。母でも妻でもない自分自身の世界を持ち、培った経験でステップアップしていきたいとのお気持ちをお話しくださいました。

一方、お子さんのリクエストの食事を作り”美味しい”と喜んでもらうことや、おつまみを作ってご主人と晩酌することに幸福感を感じ、自分の活力になっているとおっしゃいます。

正社員への転職を考えるにあたり、残業が増えることや通勤時間が長くなることで、現在充足されている仕事の充実感と家庭の満足感がアンバランスになり、ご自身の生活に自分が「合格点」をあげられなくなることに不安を感じていらっしゃいました。

 

コラム法で考えと感情を整理しました。

□残業中の「お腹空いた。まだ?」という息子さんからの電話に

□不安、心配な気持ちになり

□転職したら今と同じように子供にやってあげられなくなるだろうと考えた

となりました。

 

不安や心配の状況になると、行動・思考は特徴的に変化します。

思考は、最悪のことを想定し、自分の能力を過小評価したり、今ある強みを見逃しやすくなります。

行動は、不安な状況を避けようとしたり、逆に完璧を求めてがむしゃらになったり、もしくはどうしていいかわからず固まってしまうかもしれません。

過度な不安ストレスがかかると、交感神経の緊張により、動悸や息切れ、口の渇きや震え、筋肉の緊張などの身体反応が起きる可能性もあります。

 

このように、不安や心配は心身にストレスを与えるものです。

では何に対してストレスなのかというと、「まだ起きていない未来」について想定し、その想定した出来事に不安や心配を感じているのです。

 

過去の記事でもお話しさせていただきましたが、私たちは他人と過去を変えることはできません。しかし、自分と未来は変えることができます

 

不安が未来に起こる出来事に対する感情なのであれば、不安な状況を変えるよう働きかけることができます。不安な気持ちが「こうありたくない」という思考から生まれている感情とすれば、それは「こうありたい」という理想を自分に教えてくれる大事な感情とも言えます。理想を持つということは、その理想に向かって動けるということです。不安な気持ちを感じた時は、「これで理想に近づけるんだ。ラッキー!」と思って、不安な感情を捉えその時の思考を探ってみてください。

 

Hさんが心配している「転職したらやってあげられなくなる」という未来の想定を、「転職してもやってあげられている」という現実に変換するために、何ができるのかを検証していきます。そして、Hさんの不安を軽減し、自信を持って転職活動をしていただけるようサポートしていきたいと思います。

 

〜本日の学び〜

不安な気持ちをキャッチすることは、理想の未来を作るチャンスになる。

 

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@mm THAI

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

このご縁に感謝いたします。

 

認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ

#2-3 カウンセリング実践 望みを相手にまっすぐ伝える4つのコツ

弊ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

#23回目の面談記録をいたします。(1回目→ 2回目→☆☆)

 

ホームワークとして元ご主人について作成したいただいたコラムを基に、面談で7つのコラムを完成させました。

□お子さんとTさんが会うことについてご主人が前向きではないと考え(確信度90%)

□憂鬱な気持ち(強度90%)

だったものが、

□望むことへの解決策はある。私は自由を守り楽しく過ごそうと考え(確信度100%)

□前向きな気持ち(強度70%)

と変化しました。

 

その上で元ご主人に対して必要な主張を伝えるため、問題解決に向けてプランを立てることにしました。

元ご主人を、自分に自由を与えない頑固な人と考えていたTさんですが、認知行動療法を進める中で、『うまく話せば理解してくれる』『望むことの解決策はある』と、元ご主人に働きかけようという考えにシフトしてきたことがわかります。解決に向けて主体的に意欲的に取り組もうという気持ちを確認できたことは、大きな前進だと思います。

 

主張とは、決して自分勝手な行動ではありません。人間関係においては、消極的・受け身的になりすぎてもバランスを崩しますし、逆に攻撃的・支配的になることもトラブルを招きます。主張はそのどちらでもなく、適切な方法で自分の望みを伝える方法です。

 

適切な主張にはコツがあります。

1『私は』で言葉を始める

「君はいつも時間に遅れるんだから」→「私は時間に余裕を持って予定を楽しみたい」

 

2相手の不満の中にある事実は認め、自分の権利は伝える。

「毎日忙しいのはわかるけれど、分担した家事はやってもらいたい。」

 

3望みははっきりと端的に伝える。相手に察してもらうことを期待しない。

「疲れてるのわかるよね?」→「疲れているから30分休ませて欲しい。」

 

4結果よりプロセスに意識を向ける。

相手がいることなので、毎回自分の思うようにいくとは限りません。しかし、適切に伝えるということが大切であり、そのプロセスを繰り返すことで徐々に良い関係に近づいていくことができると思います。

 

自分を守るためにも、相手にストレスを与えないためにも、上手な主張を身につけていきたいですね。

 

〜本日の学び〜

4つのコツで自分の望みをまっすぐ伝えることができる

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

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認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ

#1-2 カウンセリング実践 私もあなたもハッピーになる心構え

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面談記録をいたします。

#1 Tさん2回目の面談です。(前回記録はこちら→

 

前回の面談以降お母様との間にストレスはなく、自宅で楽しくお話をすることができたそうです。しかし同じ内容(家事や子育てについてのお母様からの指摘)でお母様とぶつかることを繰り返さないよう、今後より良い関係になることを目指していきたいとお話ししてくださいました。

 

前回のトピックスについて7つのコラムを進めました。

「ちゃんとした母親になりなさい」と母に言われた出来事に

怒りの気持ちになり

母親として私はしっかりやっていると考えたが

時代が違うのだから母がそう思うことは母の自由と考え

□新たに受容・前向きの感情が生まれた

 

受容的で前向きな感情が生まれた時、お母様との関係について

『同じ女性という目線で、未来の話をしたい』

という願い・目標が明らかになりました。

 

目指す姿が決まれば、あとは辿り着くための手段を考え、実行するのみです。

どんな手段で目標を実現しましょうかとお尋ねしたところ、Tさんからはじめに出た言葉が、

『母の話をじっくり聞きたいです。そして、母の世代の興味関心について知りたいです。』

というものでした。

お母様について受容の気持ちが生まれた時、目標を達成するためにまず相手を理解しようというお考えになりました。

 

カナダの精神科医エリック・バーンが提唱した交流分析の中で、良好な人間関係の基本的な構えとして『I'm OK.You are OK.』というものがあります。

ある目的に向かう時や問題解決に望む時、『私はOK,あなたもOK.』というスタンスでいるとお互いを認めて一緒にやって行こう、と自他肯定型のポジティブな関わりができるというものです。

他には、

I'm not OK.You are OK.(私にはOKではないがあなたはOK)

→自己否定他者肯定 劣等感があり、依存的、服従的になる

I'm OK.You are not OK.  (私にはOKだがあなたはOKではない)

→自己肯定他者否定 排他的、攻撃的になる

I'm not OK.You are not OK. (私にもあなたにもOKではない)

→自他否定 絶望的、拒絶的、自閉的になる

があります。

 

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この4つの分類は、心理学用語で『OK牧場』と言います。人間関係において人はその時の状況や気持ち、相手との距離などにより牧場の4つのエリアを行ったり来たりしています。『I'm OK.You are OK.』のエリアにいる時間が多くなれば、友好的、建設的な関係の中でお互いが満足しそれぞれの力を最大限に発揮でき、相乗効果を期待することもできると思います。

 

Tさんとその後、具体的なアクションプランを立てました。

お母様世代の興味関心を知る目標のためにTさんが考えたユニークなプランのひとつをご紹介いたします。

 

『図書館で’ハルメク’を読む』

 

ハルメクはシニア向けの女性雑誌です。雑誌から最新情報をキャッチしてお母様との会話のネタにしようという斬新で効率的なプラン!

プラン実行後の面談が今から楽しみです。

 

〜本日の学び〜

『I'm OK,You are OK』の心構えで、お互い満たされパワーを発揮できる。

 

 

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 @bondolfi boncaffe

 

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認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ

認知行動療法お勉強会 自分の心を発見するこの質問を繰り返そう

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スクールのお仲間と勉強会を行いました。

カウンセリング練習をしていると毎回話題になるのが、「何を質問するのか」「どの質問するのか」ということです。

 

傾聴カウンセリングと異なり、認知行動療法では「受容・共感・自己開示」の基本姿勢を持ちつつもクライアントに適切な質問をしながらカウンセラーがカウンセリングをリードしていく必要があります。

この質問がとても難しい・・・。「ソクラテス的問答法」に代表されるような質問スキルがカウンセラーに求められます。

 

ソクラテスは「無知の知」という言葉で知られる古代ギリシャの哲学者。ソクラテス的問答とは、相手の主張を仮のものと定義し、その主張に対して質問を繰り返していきます。質問に答えていくうちに真実に近づいていき、また矛盾にも気づきます。答えを与えるのではなく、相手の中にある答えを相手自身が気付くよう導くという点は、認知行動療法の軸とも言えます。

 

スクールの先生がおっしゃっていた、心に残っている言葉があります。

「解決の答えはクライントの中にある。クライアントの心に興味を持つ。」

これは、自分自身にも置き換えることができます。自分の問題を解決する答えは常に自分が持っていると信じる。そして、自分の思いや考えに興味を持って、自分に問いかけてみる。そうすることで、本当の心に近づいていきます。

 

私が自問によく使っている言葉があります。

「それは何を意味している?」

「なぜそう思う?」

 

例えば、ピアノの練習をなかなか始めない娘に私は苛立ちます。そしてしびれを切らし、「早く練習しなさい!」と言います。

 

「早く練習しなさい」

→それは何を意味している?

「練習しないとグループ曲の仕上がりに影響が出る」

→それは何を意味している?

「グループに迷惑がかかる」

→なぜそう思う

「他のお友達はしっかり練習しているのに娘が足を引っ張ることになる」

→それは何を意味している?

「他のお友達に申し訳ない」

 

この辺りまで来ると、あれあれ??となります。

私は、グループレッスンのお友達に申し訳ないから娘にピアノの練習をさせようとしているの?と自分の心理に気が付きます。

娘が感性を高められるように、広い興味を持つように、好きなことを見つけられるように、上達する喜びを知ることができるように。そう願って、いろいろなお稽古のトライアルの中から娘が希望したピアノレッスンを始めたはずです。それなのに、本来の目的とずれたところで娘にピアノ練習を促しているという矛盾に気づくのです。本来の願いや目的を忘れた状態でどんなに働きかけても、娘に私の言葉が届くはずはありません。

ずれていた考えに気づき、本来の願いを思い出した時、娘にかけたい言葉は何だろうと考え直してみます。

「昨日よりも上手になった演奏を聞かせて欲しいな。」

こう考えた時には、声をかける目線も口調も表情も自然と変わってきます。

 

カウンセリングの中で、クライアントの目標達成をイメージしながら適切に質問を行えるようまだまだ練習を重ねていかなくてはと思います。

 

何かにストレスを感じた時、あなたも哲学者になったつもりで自分自身にソクラテス的質問を投げかけてみてください。意外な心理の発見ができるかもしれません。

 

練習会に参加してくださったOさん、Nさん、ありがとうございました。

 

〜本日の学び〜

「それは何を意味している?」と自問を繰り返すと心の底に辿り着く

 

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@PIZZA & TAPAS cibo

 

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認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ

#6 カウンセリング実践 そこに意味を加える'スキーマ'というもの

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面談の記録をいたします。

 

6 Mさん 40代女性 パート

 

ご主人についてのお悩みでした。

受験生のお子様がいらっしゃるご家庭です。リビングでお子さんが勉強するときにご主人がテレビを消さないことや、遅くまでお子さん達とテレビを見ていることなどについてお困りのようです。

 

これについて、出来事・感情・考えに分ける3つのコラムを実施しました。

 

Mさんが消したテレビをつけたご主人に

イライラの気持ちになり

(子供に勉強して欲しいはずなのに)なぜ子供のためではない、反対のことをするのかと考えた

 

となりました。

そこからご主人への認知を掘り下げたところ、

・私のやりたいことの反対のことをする

・私の決めたことが気に入らない

・私に張り合っている

と感じていらっしゃることが分かってきました。

 

テレビをつけるというご主人の動作は一つの行動です。そこにMさんの捉え方が加わることによって、その動作に意味が生まれます。

Mさんはこれまでに『なんでいつもお前の言う通りにしなきゃいけないの?』というご主人の発言や『ABどっちがいい?』というご主人からの質問にMさんがBと答えるとご主人がAを選択する(逆を選ぶ)などの経験がありました。このようなことからMさんにとってのご主人の捉え方が作られ、今回のご主人の動作が『私のやりたいことの反対のことをする』という意味を表すことになったと考えられます。

 

このように人は、ある事象に対し自分の経験や知識によって得た情報をもとに、意味をもたせて解釈します。過去の情報を統合して、思考のパターンが作られています。この思考パターンを、心理用語でスキーマと呼びます。心を作り出す枠組みという意味です。スキーマは無意識に働いており、思い込みや偏見など認知の偏りを生み出すこともあります。

 

例えば、金髪でミニスカートにヒールの高い靴、長い爪にふんだんなネールアートをしている女性がベビーカーを押して電車に乗ってきたとします。その女性にあなたはどんな印象を持つでしょうか。『ちゃんと子育てしているのかな』『しっかり家事していないのではないだろうか』『若くして子供を産んだのかな。大丈夫かな。』などと感じる方は多いかもしれません。しかし、その女性がどのような子育てをしているか、家事をしているかは何も情報がありません。もしかしたら、大金持ちでお手伝いさんが大勢いて家事をする必要が全くないのかもしれません。もっと言うと、その女性は赤ちゃんのお母さんですらないかもしれません。

しかし、私たちは無意識のうちに『派手な格好をしているお母さんは家事や育児をおろそかにしている』というスキーマ(心の枠組み)を持っており、派手な格好というの物理的な状況に、『家事や育児をおろそかにする』という意味を付け加えて判断しているのです。

 

ベビーカーを押していた女性に、大金持ち・母親ではないなどの事実があるかもしれないのと同じように、Mさんのご主人がテレビを消した行動に『私のやりたいことの反対のことをする』以外の事実や可能性があるか、今後Mさんと一緒に検証していきたいと思います。

 

~本日の学び~

私たちは、無意識に働くスキーマによって事象に意味をもたせている。

 

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@restaurant CELLY with SKY BAR

 

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認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ 

 

#2-2 カウンセリング実践 自分の思考の根源を知る方法

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#2 面談の2回目です。(1回目→)

 

今回は、コラムの完成を目指します。

ホームワークとして、前回の面談から今日までの間に元ご主人に対しストレスを感じた出来事について『出来事・気持ち・考え』に分けてきていただきました。

 

□元夫からの『現状の言動では(要求を聞き入れるのは)難しい』というメールの返信に

□不満とイライラの気持ちになり

□私には自由が認められていないと考えた

 

前回の自動思考と比較すると、出来事は違っていても元ご主人について考えることはほぼ同じになっています。

Tさんは元ご主人を『私を蔑ろにし、私の自由を認めない人』と考えたとき、ストレスを感じることがわかります。

これが、自動思考の下に沈んでいる『自動思考の根源』です。

 

自動思考の根源は考え方のパターンとも言えます。環境や過去の経験、人間関係、成功体験、失敗体験、つまり、自分の歴史によって作られており、無意識に働いています。この自動思考の根源を見つけることは、心のざわつきを抑えるためにとても有効です。自動思考の根源が気持ちを明るくするもの(ポジティブ思考)であれば全く問題ありません。しかし気持ちを後ろ向きにするもの(ネガティブ思考)である場合や、非機能的な行動を起こしてしまうものである場合は、思考の根源を知ることによってそれらの事態を回避することができます。

認知行動療法の冒頭部分、『出来事・気持ち・考え』を日々の生活の中で何度も記していくことで、思考の根源を見つけることができます。特定の相手や一定の状況にテーマを絞って繰り返し行うと、その相手や状況を自分がどう捉えているのかがわかり、また、何にストレスを感じるのかということも明らかになります。ストレスの原因となる認知がはっきりとすれば、その認知に働きかけることで良い状態を目指すことができます。まずはストレスの内容を自覚してから、回避のための方法を考え、作戦を立てるということです。まさに孫氏の、『彼を知り己を知れば百戦殆からず』ですね。

 

その後コラム法を進め、思考の根拠と反証を検証する方法でHさんの元ご主人への認知に介入しました。

その結果、

うまく説明すれば、自分を理解して意見を取り入れてくれると考え

不満は半減、イライラは解消

と思考が柔軟になり、ストレス状態を軽くすることができました。

 

Tさんは元ご主人への認知を少しづつ修正し心にゆとりができたことにより、問題解決に向けて動くことにしました。元ご主人に働きかける目標を立て、実施することにしました。次回、具体的な目標設定・行動計画を行う予定です。

Tさんの生活がより良くなるよう今後もサポートしていきます。

 

〜本日の学び〜

認知行動療法で、思考の根源を知ることができる

思考の根源を知ることがストレス改善に役立つ

 

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認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ

 

 

 

 

#5 カウンセリング実践 理想の未来をつかまえに行こう

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#5 Aさん 40代 女性 会社員

今の暮らしに何も不満はないけれど、このままでいいのだろうかという漠然とした不安がある。自分には生きている間にやるべきことがあるはず、まだできることがあるのではないか、自分には何ができるのだろう、という思いを伝えてくださいました。

 

ご自身が好きなことをやっていこうと考えたときに思いつくもの(旅行やウェルネス)にも興味があるけれど、それは自分を満たすだけのもの。世界には満たされていない人が多くいる事実に目をやると、このままではいけないと思う。世界を少しでもよりよいものにしていく活動をしたいのが本心であるとお話してくださいました。

 

では、どんな人を満たしたいだろうかと考えたとき、インドで数年前に起きた性的虐待事件をネットのニュースで見たときの記憶に遡りました。

そのときの出来事について認知行動療法のコラム法を実施した結果、

□インドの性的虐待事件について

□怒りの感情が生まれ

□あってはならないことであると考えた

 

と思考の整理ができ、さらにコラムを進めていったところ、

 

□凄惨な事件がなくなるようできることをやっていきたいと考え

□怒りの感情強度が6割軽減

□使命感という新たな気持ち

と展開されました。

  

Aさんは、

「弱い立場の人々、特に子供や女性が安心して帰れる場所を作る」

という目標を立てました。心から安心できる安全な居場所があることにより自己肯定感を持ち、自分自身も他者をも尊重することができる。そうすれば、人を傷つけようとすることがなくなり、悲しい事件も減っていくという思いから生まれた目標です。

 

このように、認知行動療法は「ストレス」という精神的なマイナス状態をニュートラルにするだけでなく、「より良い状態を作りたい」・「この目的に向かっていきたい」と精神的なプラス状態からさらに高めるためにも利用することができます。

コラム法では出来事をピックアップするとき「One slice of time」(一瞬を切り取る)であることを重要視します。ある一場面に意識を向け、そのときの自分の思考と気持ちを捕まえることで、漠然とした思いの起点を探ることもできます。思考がはっきりすると目標が明らかになり、目標実現のための具体的な行動も明確になります。

 

モヤモヤした思い、堂々巡りになる考え、漠然とした気持ち、不満はないけれど満足ではない。こんなときこそ認知行動療法を試みてください。新たな一歩を踏み出す方向が見えてくるかもしれません。

 

Aさんの力強くも愛に溢れた挑戦を、これからサポートしていきたいと思います。

 

〜本日の学び〜

認知行動療法は理想の実現に役立つ。

 

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@also Soup Stock Tokyo

 

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認知行動療法メンタルトレーナー

いくえ